ピロリ菌と胃がん

ピロリ菌は慢性萎縮性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍の発生と深い関わりがあり、ピロリ菌が胃がんの原因のひとつでもあることがこれまでの研究から判明しています。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍に関しては、おおよそ９割以上の人がピロリ菌所持者で、十二指腸潰瘍に至っては１０割近くの人がピロリ菌所持者だということがわかってきました。ピロリ菌がこれらの病気の根源かはまだわかってはいませんが、十二指腸潰瘍は再発する確率が高い病気にもかかわらず、ピロリ菌を除菌した人のほとんどが十二指腸潰瘍を再発していないという事実から考えまして、ピロリ菌が消化性潰瘍と関わりがあることは充分考えられます。

それではピロリ菌と胃がんの関係はどうなのかといいますと、胃がんについてもピロリ菌は関わっているとされています。その理由は、ピロリ菌に感染している人は感染していない人に比べて、胃がんになる確率が５～１０倍にもなるといわれているからです。